アーカイブ 2009年 11月



乙女座  御手洗

2009年 11月 27日

瀬戸内の島 御手洗
この町には、昭和初期まで劇場がなかった。
昭和12年に映画館として、この乙女座が建てられた。
otomeza
この当時の近代建築。
モダンさを狙った意匠がうかがえる。
近くに遊郭らしき建物も残っており、この一帯が
繁華街として賑わっていたのだろうと思われる。
otomenonamida
たとえば、この中央部のレリーフは
看板商店で、よく見られるものだが、
落ち着いており、品がある。
設計者は、どこから来たのか?

このレリーフ、乙女が涙を流しているように見えることから、
「乙女の涙」と呼ばれている。

近寄ってみると、
入口が開いていたので、
中を覗いてみた。
otomenaibu
 

 

 

 
中は、畳敷きの芝居小屋風の造り、当時の劇場の典型である。
otomeza1otomeza3
 

 

 

 

 

 

どこからか、映写機の音が聞こえてくるかのような。
この映画館で小津安二郎を見てみたいと思った。


ドラマ 深夜食堂

2009年 11月 25日

新宿・花園界隈の路地裏に、マスター1人で切り盛りする小さなめしやがある。深夜0時から朝の7時頃までの営業で、のれんには単に「めしや」と書かれているが、常連客からは「深夜食堂」と呼ばれている。メニューは豚汁定食、ビール、酒、焼酎しかないが、マスターが出来るものなら言えば何でも作ってくれる。深夜しか営業していないこの店を舞台に、マスターと客たちとの交流を描く。
sinnya 2007年8月から、名門 小学館 『ビッグコミックオリジナル』で連載されている。
あまりにdeepな内容に、ドラマ化すると聞いても、一体、どうなるのかと思いもしましたが、
水曜日の深夜 TBSに、思わず見入ってしまう。

設定上、食堂の場所が新宿ゆえに、ゲイ、ヤクザも、
登場人物として花を添えている。

しかし、渋い、渋すぎる。
主演の小林薫も渋すぎる。

この食堂のメニューは、建て前ではこれだけ。sinyamenu
豚汁定食

ビール



焼酎

しかし、客のリクエストに答えて、何でも作ってみせるが、
すべて、B級グルメ

赤いタコのウインナーsinnyaakaitakosinnyanekomannmasinnyabutter
卵焼きsinnyatamago
猫マンマ

バターライス

 

 

 

これらの料理と、登場人物のdeepな人生、背景が交差する。
全編を通して、昭和の香りが漂う。
久世光彦の影がちらつくのは、私だけでしょうか?

深夜、私は、ウーロン茶を片手に、この番組を眺めるのが、ほぼ習慣化している。
定食屋も、チェーン化が進む、昨今、客に媚びるわけでもなく、しかし、カウンター越しに交流ができる、
こんな、店が近くにあればと願う。


11月21日  産経新聞にとりあげられました。

2009年 11月 22日

【話題の本】

『看取りの医者』平野国美著

2009.11.21 08:04
看取りの医者」


 ■事実の持つ力が心を打つ

mitori
 10月19日に発売されるや、東京・八重洲ブックセンター本店の、ノンフィクション部門売り上げ3位にランクイン。著者がクリニックを開業する地元、茨城県つくば市内の複数の大型書店では同部門の売り上げ1位となった。

 著者は訪問診療専門の医師。患者は高齢者や末期がん患者らで、治療は緩和ケアがメーンだ。住み慣れた自宅で、人生の最後を充実させることを望む人々を車で訪ね、介護を担う家族へのケアも忘れない。平成14年の開業以来、7年間で420人を看取った著者が、忘れられない患者や、「看取りの医者」となるまでのエピソードなど、9話をつづった。

 脳梗塞(こうそく)で発語能力を失ったはずの夫の最後の言葉、ぼけたふりをする老母の死後見つかった書き置き…。感動的な話ばかりでなく、遺産相続がらみで在宅医療がかなわなくなった患者のケースもあり、さまざまな最期は映画「おくりびと」を連想させる。

 「訪問診療を専門にしていること自体、非常に珍しいケース。地元ラジオ局で著者の活動が取り上げられ評判になり、執筆をお願いした」と話すのは担当編集者の小学館出版局、徳田貞幸さんだ。

 自宅で死ぬこと。病院で死ぬこと。事実の持つ力に心を動かされる。在宅死のドラマだけでなく、著者が日々の往診で感じる問題や、提言にも注目したい。

 特に著者が提唱、実践する「病診連携」は、行政や医療関係者が傾聴すべきシステム。病院側は救急医療に専念して空きベッドを増やし、訪問医は機動性を生かし在宅ホスピス的役割に徹するというものだ。「かかりつけ医」よりも踏み込んだ、街全体が「屋根のない大きな病院」となる仕組みは、本のヒットで賛同者を増やしているのではないか。(小学館・1470円)

 飯塚友子