ドラマ 「看取りの医者」

「この本を、私たちに是非、預けていただけませんか。」本とは、二年前に私が著した「看取りの医者」。私に声をかけているのは、70歳を超えたテレビプロデユーサー。「ドラマにさせていただきたい。」この本は、八年間の私の在宅医療の経験に基づいたフィクションである。つまり、私、平野という一開業医の目線と言葉で書かれている。まず、尋ねたいのは、どの俳優が私を演じるのかである。返って来た答えは、あまりにも意外であった。「大竹しのぶさんです。」自分とのギャップに、まず、驚く。「ドラマ化にあたって、原作と内容は、大分、変わる可能性はあります。しかし、平野さんの在宅医療に関する思いは、変えません。」

二月後、深夜になると東京で、つくば市内で助監督二人との打ち合わせが始まった。「このシーンで考えられる病名、パターンを考えられるだけ出してください。」「このシーンで先生でしたら、どのような所作をとりますか?」ある日の夕方、打ち合わせをしていると、若い助監督二人から、患者さんの部屋に関する疑問が出始めた。「普通の生活をするための空間、そこに介護ベッドがあるくらいかな?何も特殊な物は、それほどない。」と答える私。訝しがる二人を連れて、許可をとって患者さん宅を訪問した。「わかったでしょう。普通の住み慣れた部屋、あたり前の部屋。」その時、助監督の一人が、患者さんの鼻についているチューブを辿り始めた。「これは、何ですか?」指を指した先にあるのは、HOT(在宅酸素)。介護者の方が「これはいいですよ。二十四時間、三百六十五日、静かに私たちを助けてくれます。うちの中に、もう一人、お医者さんがいる感じです。」その瞬間に、自宅での診察の場面に「在宅酸素」は出演が決定した。

ドラマ全体の流れとしては、「家に帰ろう。」「家族の絆」、打ち合わせ中、主演の大竹さんも、私生活での家族の闘病を経験されている事に気づいた。「自分の時も、こういう方法があったのかな?」と遠くを見ながらつぶやかれていた。ドラマの中では、主役の大竹さん演じる「みどり先生」に原作にはいない二人の子供と夫が登場します。一度は壊れた「家族の絆」、これがある事件を元に、絆が戻り始めます。しかし、その先に、あるものは。失う物と得た物、最後は、幸せなのか?悲しみなのか?

この冬、「看取りの医者」二時間ドラマで、お楽しみください。

いや、来年かも?




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